君
2002年12月4日-君-
私はこれから君について語ろう。
1.とうめいにんげん
君はそこに透明人間がいると信じて止まなかった。
透明人間は君にも、誰にも見えないけれど、君は確かにそこに透明人間の存在を思った。
君はそれを少しの友人に訴える。
―――誰の目にも見えないけど、そこに透明人間がいると信じれば、そこには透明人間がいる―――
だけど誰もが君をあざ笑うだけで、透明人間の存在を思わない。
一緒になって考えてくれる人は、君が望んだ人じゃない。
そうして君はまた憂鬱になっていく。
それが嬉しいのか、悲しいのか…それはまた別の話しで。
2.『ほんとう』について
君は色んな言葉に敏感だ。
中でも『本当の』って言葉は無限に悩み続ける種になってしまった。
君はすべてはそれを否定し得るすべてを持っていると思っているから、『本当』を見出せずにいる。
真実を探してはそれを否定し、その否定さえも否定していく。
こうして君は深みにはまっていく。
過去の真実の探求者は、真実を見出したのだろうか?
だから君は探す。否定し得ないものを探す。
とにかく、答えをみつけたいらしい。
3.居場所
君は居場所を求めている。
自分自身の他人との極端な違いと、他人との大差無い弱さを認めている。
他人と違いたいと思う君だけど、一人では立っていられない。
そんな自分を思うとき、ひどい寂寥感に襲われる。
―――さみしい・くるしい・たすけて・あいして―――
君は誰もが二面性を持っている気がしている。
そうして、自分もその中の一人だと信じている。
だけれどそれと同時に、自分の二面性は他の人とは明らかな違いがある事も認める。
君は思う。
―――ボクはみんなと仲良くなれない―――
君はそれを肯定し、否定し…。
この辺りは他人と一緒で思春期なんだな、と思う。
4.色
君は色のもつ力に絶大なものを感じていた。
自分の視覚さえも疑っている君だけれど、色から得る情報には正直、驚かされる。
希望・絶望・怒り・悲しみ・安らぎ・不安
その他諸々の感情や、抽象的なイメージを色から感じれる事に喜んだ。
色を感じ取れる生物が少ないと聞いた時、その辺りで人間ってのは高等な生物なんだな。と思った。
5.君について少し
私の主観で君について少し書いてみる。
君は愚かだ。
君は常に自己の利益を考える。
それを悪いとは言わないけれど、一般的には悪だ。
だけど、そんな君が好きだ。
妥協して一般的な善を行おうとする君の方がはるかに嫌いだ。
そして何より、君は一般的じゃない。
やっぱり君は一般的に愚か者だ。
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